帰省録0707【5】:きっとここへは帰ってこれない。
●昨日までの愚図ついていた空が、嘘のように晴れ渡った帰省4日目。明日はもう東京へ戻るから、せっかくだしいろいろ動こうよ。と、本日は山男、海男。
なんてね、山も海もすぐそこだから、結局いつもの散歩の延長って感じだね。

●ここは自然が豊富、と言うより、もはや自然しか無いところになってしまいました。典型的な過疎の町です。小学校低学年の頃から始まった転校ラッシュは、いつも出ていくだけの片道切符。産業は廃れ、若者も離れ、年金暮らしと、この垢抜けない自然だけが残りました。僕が通った幼稚園、小学校、中学校は、統廃合されてもう無いんです。近々高校までもが無くなるらしくて、これには自分の足跡が残っていない淋しさを感じてしまいます。
市街を歩いても、そこは見事なシャッター通りで。「ここはね、すごく美味しい食堂だったんだよ」「ここに好きなおもちゃ屋さんがあってさ」ってブランドンに教えたところで、全部シャッターが下りてるからピンとこないみたい。そりゃそうだよね、僕の記憶だってだんだん曖昧になってきてるもん。
なんでこんなことになっちゃったかなぁ。
●だいたいね、無投票で再選した市長が、アル中で入院してるような市政じゃ全然ダメよ(苦笑)。青年会って言ったってオッサンばっかりで、祭りのひとつも盛り上げられない。もう思うところが多々あって、こういう話しを始めたら止まらない僕にブランドンは「キミが市長になったほうがいいよね」と言います。ありがとう。政策ならいろいろあるよ。でもね、残念ながら僕には資金も人脈も人徳も無いので、無理なんです(笑)。●恐らく僕は、ここへは帰ってこれない。仕事も無く、文化も娯楽も希望も無い。それに僕には、ブランドンとの大切な将来がある。でも父も母も東京には絶対出てきたくないってタイプだし、さてさてどうしたものか。ってことを考えてる風な写真を撮ってくれない?とお願いして撮ってもらったのを載せてみました。ガチムチでもないのに頑張って着てみたラグジャが、大きな哀しみを誘います。絶対着ることは無いと思って持ってきた、唯一の長袖でした。
それにしても、なんでだろう、今回ほど海が寂しく見えたことは無かったなぁ。

●その昔、ここは「鮭の町」と言われたところ。海へ出た鮭が川に戻ってくるように、僕も時々ここの水が恋しくて戻ってくる。きっとこれからも、そんなことを何度も繰り返しながら、答えの出ないことをグルグル考え続けるんだろうな。
うん、そんな気がする。
だけど近くにあるんだよ。
だいたいを家の中で過ごす在宅ワーカー。都内在住の40歳。ゲイ・パートナーのブランドン(外国人/ヨーロッパ圏)との生活は、気付けば14年目に突入。地味に静かに暮らしています。
Chibi-log
どっちが先に着くか競走だ。

ちょっと気温が下がったら出かけましょう、ってのが甘かったか、よく行く鰻屋の前には長蛇の列。聞こえてくる「あと10個!」「あと9個!」の声にハラハラしたけれど、ギリギリでラスト2個を買えたのは小さなラッキーだよね。
あの人は…そろそろ帰りの電車に乗った頃だろうか?鰻が好きな誰かさんのため、チャリンコ飛ばして帰ろうぞ。待ってろベイベー。
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意外・・・・っていういい方も失礼かもしれませんが、
ハリーさんがそういった田舎町出身っていうのが驚きでした。
過疎の町っていうのは、うちの県にも少なからずあります。
中学校の社会科の教科書に「過疎化する農村」っていう写真が
載っていますが、あの写真をとった場所があるような県です。苦笑
東京で外国人男性と過ごしているようなゲイと、田舎の子どもっていうのが
何だか接点がないんですよね。生まれも育ちも田舎の僕としては。
でも確かにそういった街では、ゲイライフは満喫できませんよね。
僕はそれでも田舎の中じゃ賑やかな街に住んでますが、
それでも時々息が詰まりそうになる。
両親との問題も、ハリーさんは一人っ子さんだからなおさらですよね。
僕は末っ子だけど、やはり両親の面倒は見ようと思っているので、
色々考えるとこがありました。
●Kazuccineくん。
意外・・・・って、そぉ?結構東京でも「胸張って田舎者です」って感じで暮らしてるよ。うちの田舎のほうってね、その昔「NASAが来る」ってホントだか冗談だかわかんない話しがあって(笑)、もし実現してたら過疎なんて話しも吹っ飛んで、僕にも「帰る」って選択肢も出来たんだろうけど。そんなの有るわきゃねーだろ、って感じだよね。
>東京で外国人男性と過ごしているようなゲイと、田舎の子ども
笑っちゃったよ、ここ。でもこうして改めて文字にすると、不思議な話しだね。
どこでどうなるかわかんない、ってことなのかな。
>それでも時々息が詰まりそうになる。
東京はいいよ(笑)。なんてこと言っちゃいけないか。僕も「ゲイライフを満喫」ってことは全然無いんだけどね、周りも知らない人ばっかりだし、自分がゲイであるってことを考えずに暮らせるぶんにはラクかなぁと思ってる。
>僕は末っ子だけど、やはり両親の面倒は見ようと思っているので
偉い。僕がKazuccineくんくらいの頃は、そんなこと考えもしなかった。ま、こればっかりは避けられない話しだからさ、お互いにいい道を探ろう。
きっとここへは帰って来れない、って俺も自分の出身地に対してそう思います。帰ることは帰るけどあそこで暮らすことはもう絶対無いだろうと。後戻りするようなことはしたくないしね。
でも親のことを考えると微妙なんだよね、やっぱり。
●龍児さん。
遠く離れた所で暮らす龍児さんにとっては
僕なんかでは想像できないような覚悟とかあるんでしょうかね。
20代の頃は「あぁ兄弟がいたら良かったのに」なんて
どうにもならないことばっかり考えてたんですけど、
さすがにね、40歳も近くなるとそんなことも言ってられず(苦笑)。
近い将来、現実的な線で答えを出さなくちゃいけない時が来るんだろうなぁ
って思ってます。