帰省録0804【2-2】:響け、訛りよ。
●昔勤めていた会社には、同郷の女の子がいました。僕は小さい頃から東京と田舎を行ったり来たりしていたせいか、言葉で困るということはあまり無かったのだけれど、彼女の訛りっぷりといったらそれはもう大変なもので、おまけに仕事が電話応対がメインの事務ときたものだから、その悪戦苦闘ぶりは気の毒なほどでした。関西のほうの言葉はもはや日常的に当たり前な感じで、言うほうも聞くほうも普通にやり取りしていますよね。一方で東北訛りは、新沼謙治やら気仙沼ちゃんやら、なんかこう、田舎っペというかダサイと言うか。しかもイントネーションもそうだけど単語レベルで言葉が違ったりするものだから、なんとなしに言った言葉が相手に通じなかったということもしばしば。えーっ!これって全国共通の言葉じゃなかったの!?とこっちが驚いてしまうこと、結構あるんです。
ゴミを投げる。
だからゴミ収集の日は「ゴミ投げの日」。
それの何が変なのよ?と思っていたのだけれど、東京の人に言わせると、それは雰囲気的に雪合戦ならぬ「ゴミ合戦」でもしてるみたいなイメージになるんだとかで、何それー!と随分笑われたものです。いいじゃん、ちょっとそこのゴミ投げといてー。
では。
「あぐどがえんずいと思ってらっきゃ靴下がかいっちゃかだったげ」。
これどうでしょ。
●ある日。彼女、アベさんって言うのだけれど、口癖が「そうダベ」だったものだから、じゃあこれからはアベちゃんじゃなくてダベちゃんだ、みたいな話になりみんなに笑われていたら、いよいよ怒りが頂点に達してしまったダベちゃん、じゃなかったアベちゃん、バン!と両手で机を叩き、顔を真っ赤にして叫んだのでした。
「ん、んなごだぁ言ったっで、オラぁ!」
えー…、そ、そんなこと言われても、アタシ!って意味です。
数秒の沈黙の後、爆笑の嵐が吹き荒れたのは言うまでもありません。上手に受け流せる子だったら良かったのだけれど、真面目というか真っ直ぐというか。からかわれやすいタイプっていますが、彼女はまさにそれ。でも、誰からも愛されていた、とても気さくないい子でした。訛っていようがいまいが、嫌な人の周囲には誰も集まらないものです。(まぁ、いくら愛されキャラとは言え、本人にはツライものだけどね。)
●裏山からの声に耳を傾けながら、そんなことを思い出していました。
春らしく、鶯が鳴いています。
ホー、ホケピキョ。
このへんの鶯、昔からちょっと妙なんです。普通、鶯といえば「ホー、ホケキョ」なはずですが、ここの鶯の鳴き声を聴いていると「ホー、ホケピキョ!」と間に一文字多い。鶯、お前もダベちゃんか。
その谷で育つ鶯は、その谷ならではの鳴き方をするのだそうです。ほんとにもう…(苦笑)、鳴き声はカタカナで読む以上に間抜けな響きで、でも何の疑問も無く春を鳴くその愛らしさは、毎年この時期の楽しみだったりもします。あー、帰ってきたなぁって感じ。だから、だめよ、へんに標準語なんて覚えちゃ。鳴き方が違うよそ者は、谷から追い出されちゃうんだから。そのままで。そのままで。
●東京生活の反動か、僕は帰省すると必要以上に訛っているらしい(電話では、ある程度無意識で手加減しているみたい)。母親には「あんた何でそんなに訛ってんのよ!?」とか言われちゃったりして、でもそう言うあんただって訛ってんじゃないのよみたいな。鶯と同じ。僕もこうやって訛りを伝えていくのかな。その相手がブランドンってのが、いかがなものかと思うけど。---
ちなみに。
「あぐどがえんずいと思ってらっきゃ靴下がかいっちゃかだったげ」。
これは
「かかとがしっくりこないと思ってたら、靴下が裏表逆だったよ」
という意味です。
一体何語なんだ、って感じだね。
だけど近くにあるんだよ。
だいたいを家の中で過ごす在宅ワーカー。都内在住の40歳。ゲイ・パートナーのブランドン(外国人/ヨーロッパ圏)との生活は、気付けば14年目に突入。地味に静かに暮らしています。
Chibi-log
どっちが先に着くか競走だ。

ちょっと気温が下がったら出かけましょう、ってのが甘かったか、よく行く鰻屋の前には長蛇の列。聞こえてくる「あと10個!」「あと9個!」の声にハラハラしたけれど、ギリギリでラスト2個を買えたのは小さなラッキーだよね。
あの人は…そろそろ帰りの電車に乗った頃だろうか?鰻が好きな誰かさんのため、チャリンコ飛ばして帰ろうぞ。待ってろベイベー。
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確かに東北は「投げる」ですね
「こわい」もそうですが
標準語に同じ言葉があるものは
何気なく使うとちょっと厄介ですね
長い言葉もそうですが
「け」とか「く」とか「ねねね」
と短いのも何語だよって感じがします
こういう話題大好きです♪
関西ではゴミは「ほかす」ものです。
こちらでは比較的良く使われる「シコシコ~する」という表現、関東の人(もしくは関西圏外?)はみんな引くか赤面しちゃうみたいですね。<一生懸命真面目に>って意味の形容動詞なんですが。。。東京生まれの友人に「それ、使わないほうがいいよ」って言われちゃってから使いにくくなりました。
ところで、アホ・バカ系の語彙って地方でかなり多様らしいんですが、ハリーさんの地元には何かありますか?
私の地元(神戸)では。アホ+マヌケみたいなニュアンスで「ダボ」って言います。これは大阪では通じません。
ハリーさん。
お誕生日おめでとうございます。瞬間風速的に僕と同じ歳となられましたねぇ。
さて、僕は「だべちゃん。」とは逆で
抑揚のない標準語の世界で育ってきて、大人になってから
訛りのある地方に来たので、それは面食らうこと、面食らうこと。
こちらに引っ越してきたころは、仕事で電話を取っても
相手が何言ってるかわからないし、
標準語と同じ単語なのに意味が全く違うので誤解して失敗したり、
語尾表現が独特で、相手が肯定しているのか、否定しているのかわからないこともあったり、
抑揚が激しい訛りなので、相手は普通に話しているのに「なんで俺、喧嘩売られないといけないの?」とか思って悩んだり。
でも、そんな苦労も、何年も住んでいると、土地の方言を喋れはしなくとも、
その人がしゃべる言葉を聞いただけで、「あ~。この人は僕が住む県の人かな。」と思えるようになり、
毎年8月になると放送されるテレビドラマの女優さん達が
しゃべる方言にダメだしができるまでに成長するんですよ(笑)。
● re:台ちゃん。
やっぱりそっちも「投げる」なんだ?
青森もそうだ、って話を聞いたこともあるなぁ。
東京に出てきて大恥かいたのは、投げるもそうだし、うちのほうでは傘は差すんじゃなくて「かぶる」のよ。
傘ををかぶる。これ言って「獅子舞みたい」って言われたことがある(恥)。いちいちそこで笑わなくてもさ、あぁそういう言い方もあるのね、って納得してくれりゃいいのに。。。
「こわい」は北海道でも言うみたいね。昔、中島みゆきが言ってた。
● re:Yuyuさん。
>「シコシコ~する」
えっと…、うちのほうでもそれはNGワードですよ(赤面)。
ただなんとなくYuyuさんが使う意味合いもわかるような気はします。夜中しこしこセータを編む、とかそんな感じでしょうか。
>アホ・バカ系の語彙って地方でかなり多様らしいんですが
ん~、なんだろ。「まっきり」とか言いますかね。「ありゃまっきりだがぁ」(あいつはバカだ)みたいな。語源がなんなのかさっぱりわかりませんけどね。ただ、その「ダボ」のように“マヌケ”的なかわいらしい意味合いは無いかもしれません(ダボだなんて初めて聞きましたよ)。わりと強い意味で使うかな。おかしいとかわけわかんないとかいうニュアンスですね。
● turboさん。
ありがとうございます♪
>瞬間風速的に僕と同じ歳となられましたねぇ。
待ってなくて結構ですんで、遠慮なく突き放してってください。オランダで四十路クラブ入りを待ってる人がいますよ(笑)。
>標準語と同じ単語なのに意味が全く違う
それってね、方言の中でもあるんですよ。「寝まれ」って、うちのほうだと「寝なさい(横になれ)」っていう意味なんですけど、山一つ向こうの地域に行くと「座って休め」ってニュアンスになるんです。びっくりしますよ、その地域の家へ行って玄関を入ったとたん「寝まれ」って言われると(笑)。
>抑揚が激しい訛りなので
あー、なんとなくわかります。そうかも。テレビ見てて、あぁ随分語調が強い方言だなぁって思うのはだいたい西のほうですね。東北のほうは、早口でバーっと喋ったりすることはあっても語調が強くなることは少ないので、テレビ見てて「なんか怖い…」って思ったりすることありますもん。言ってる本人にしてみれば普通に話してるだけなんでしょうけど。
海外ではそういうの無いんですか?ブランドンが電話でむこうの人と話してるのを聞いてると、まるで喧嘩でもしてるような感じなんですよ。終わった後で聞いてみると、楽しい話をしてたって言うんですがね。
>ダメだしができるまでに成長するんですよ(笑)。
turboさん、ヒアリングはOKみたいですがスピーキングもバッチリ?