ハリーのしっぽ >
●我が巨人軍は永久に不滅です。高らかにそう言った人が、サバという漢字を聞かれて「ん~、魚へんに、ブルーですね」と言ったとか言わなかったとか。
●青という色は、まぁ一言で言ってしまえば本当にただの青なのだけれど、ちょっとしたニュアンスの違いでガラっと雰囲気が変わる色だったりします。青い珊瑚礁が「蒼い珊瑚礁」になった日には、それはもう地球温暖化いよいよヤバイだろって感じだし、蒼いフォトグラフが「藍いフォトグラフ」だったら、なんだかいきなり道の駅とかで売ってそうな伝統工芸ぽくなるわけで。仕事で使う青は、わりと「ブルー」のニュアンスが強いかな。クールでシュッとしていて最先端で明るいイメージ。そういう印象を求める企業さんが多いようです。●「ブルー系の感じでお願い」。そんなユルユルの発注で案件が動き出したのは、3月前半のことだったか。で、そのたった1画面の仕事、明日から7月になるっていう今になってもまーだズルズルやっていて、しかもどうやら振り出しに戻ったような話もあってホントに気持ちがブルーです。あまりにも理由がくだらないんだもの。「こういう青って好きじゃないんだよなぁ」と先方の担当者に言われて、まぁそういうことはよくある話なので黙って微調整、微調整を繰り返して好みの色合いに近づけていくのだけれど、3ヶ月もそんなことをひたすらやって最終的に落ち着いたのは、ありえないほどのギラギラした青で。それは思わず「本当にこれでいいんですか?」って聞いちゃったくらい。で、途中でなんとなく気がついてはいたのだけれど、どうもその担当者のパソコンの画面が「暗い」のが原因なんじゃないかって感じで。青に限らず、どの色も彩度をガンガン上げるよう指示がくるので、たぶん絶対そうなんです。あなたのパソコンにあわせても、また違うパソコンで見たら色が違うってことはよくあるんですよ、そう説明しても「いや、いいんですこれで」の一点張り。いいんなら、もうこっちも言わないけど。あぁ、厄介な仕事引き受けちゃったなぁ…。
●さて。そうして長々とやってきた仕事が先週末、またドンデン返しを起こしたわけです。最終確認のため出てきたその担当者の上司が一言、「なんだこのギラギラした色は」。鶴の一声で、あっさり一番最初に作った青に戻ってしまいました(苦笑)。ほーら言わんこっちゃない。ただ今後のやり取りを、その上司ではなくなぜかまたあの担当者とやることになるらしく、一体いつ終わる仕事なのか…青息吐息です。●今朝までに担当者へメールをする予定だったので、朝8時過ぎにデータを添付したメールを送信しました。すると10時過ぎに担当者から電話がきて「メール送っていただけました?」。えっ?送りましたけど、届いてませんか? 「あー送っていただけましたか。じゃあこれから確認してみます」ってどんな電話だ(唖然)。ところで、そちらはどんな環境でお仕事されてるんですか? 「あー、うち?うちはWindows98ですけど?」 きゅ、98!?さいざんすか…、大変ですね。
あらあら、パソコンまでブルーになっちゃって。ん~、固まりたくもなるわなぁ。
ところで。好きな色を聞かれると「ブルー」って答える人が多いそうですが。ブルーもいろいろ。きっと、自分なりの好みのブルーがあるんでしょうね。
●「あたしさぁ、生まれて初めて海外一人旅してきたわよ!」と女友達。
どこよ?えっドイツ!?ドイツ語なんて全然喋れないくせによく行ってきたね!?
「英語もほとんど通じないのよ。ガイドブック片手に行ったはいいけど、もう不安で不安で。赤くなったり青くなったりしながら身振り手振りでよく4泊も過ごしたわ、って自分でも感心しちゃったわよ。」
は?全然ドイツ語を喋らずに?全然!?
「ホテルを出る時にさぁ、フロントの兄ちゃんに“サヨナラ!”って言われたの。それ聞いたらもう腰抜けそうなほどうれしくなって思わずあたし、“だんけしぇ~ん(泣)”って。ドイツ語喋ったのって、後にも先にもそれだけよ」。
よくぞそれで無事に帰ってきましたよ。エライっ。
「Papas」(2001)。ゲイのカップルが子供を育てる様子を追った短編ドキュメンタリー、らしい、ってこと以外に何の前情報も無いまま見たわけですが。まず、字幕が無い。日本語どころか英語の字幕すらありません。うわ、わっかんねーよこれ。喋っているのを聞いたところで手がかりになりそうな単語すら探し出せず、仕方無いので…子供がいるゲイカップルのお宅の様子を勝手な解釈で楽しむことに(苦笑)。

●子供が二人いるね。きっと、それぞれの種を使って一人づつ作ったんじゃないの?インタビューでは「いやぁ、どっちの子を最初に作るかかなり迷ったんだよねー」みたいなこと言ってたりして。それにしても兄弟がやたら似てるような感じだけど、お母さんが一緒ってことなんだろうか。(←あくまでも全部勝手な想像。) やっぱり子供は可愛いなぁ。

●子供と一緒にいるシーンがたくさんあって、っていうかそういう映画なんだから当たり前なのだけれど、父親同士の家事分担とかも含め「あぁ、子供のいる家庭ってのはこんな感じで1日がまわっていくんだなぁ」なんて興味深く見ちゃいました。それと、ゲイが子供を持つというのはどういうことなのか、ってことを、普通の生活からにじみ出てくる空気みたいなもので再認識。ゲイの場合、デキちゃったからとか自然の流れで、ってことで子供を授かることはありません。(よね?) 欲しくて欲しくて、と熱望されて、いろんな壁を乗り越えて迎え入れられた命は、こうやって大切に育てられるんだなぁ、ということを、ごくごく当たり前の風景、買い物をしていたり一緒に絵を描いたり体を動かしていたりする、そんな様子からジワジワっと感じました。甘やかしてるのとは違う、子育てへの責任、みたいなものを。
まぁ、今はまだ小さい子供だからね。これが大きくなって子供たちが社会ともっと関わるようになった時、この子たちは、そして親たちはどうなっていくのか。続きが気になる作品でした。

最後のほうに、なんだか妙なシーンが。同じシーンを何度か撮りなおしている様子というか、どうもNGカットらしいシーンが挿入されているんです。で、最後の最後、エンドクレジットを見ていて「あらっ?」っと思ったこと。

なんか…おかしくない?役名みたいなのがあるんだけど。
調べてみたらこれ、どうやらドキュメンタリー風に作った「フィクション」っぽい雰囲気。出てる人の名前で検索してみたら、どうもドイツの俳優さんのようだし。
なにぃ!?
なーんか騙されたような気になっちゃうんですが、それとも一瞬でも夢を見せてもらって感謝するところ?
んー…。
子供が犠牲になる悲しい事件・事故が起こった時、街頭インタビューで「うちにも子供がいるので、気持ちがよーくわかります」と神妙に語る人をよく見ます。それを見るたびに「子供がいなくたってそんなのわかるわい!」と思っていたのだけれど、でも、もしかしたら子供がいないとわからないことって本当にあるのかもしれない、そんなふうなことも漠然と感じ始めている今日この頃です。勉強勉強って言う親にはなりたかないね、とか思っていても実際はどうなるかわからないし、小学生に携帯?そんなの100年早いわ!なーんて言っていても、いざ小学生の子供を持ったら心配で真っ先に持たせちゃったりするかもしれないし。
現実で考えると、僕が子供を持つということは、果てしなく手の届かない世界の話。親になった人にしかわからない親心というものがあるとするならば、きっとそれもわからず終いかぁ。
…いつもなら、考えても無駄なことならスパっと切っちゃうはずなのに、おかしいな、なんでこんなにいつまでも引っ張ってるんだろ?んー、おかしい。
●家族が欲しい。それありきで将来を考えたってことは、これまであまり無かったような。そういうことより、僕にとって必要だったのは大切なパートナーがいるということで、彼と出会い、同じ時間を過ごし、共に暮らし、やがていつしか家族のような感じになっていった、とまぁそんな流れで現在に至ります。ただ家族とは何ぞや?と思い辞書で調べると「親子・兄弟・夫婦などの関係で結ばれ、生活を共にする人々」とあって、そういう意味でいうと僕らは家族では無いわけで。自分達がそう思えばそれでいいんだ、と思うものの、同じゲイからも僕らのような生活を「家族ごっこ」と表現される向きもあって、誰に気を使ってるわけではないにしても「もう長いこと一緒にいるから、家族みたいなもんだよねー」などと緩い表現でしか自分達を言い表せないもどかしさもあります。いつまでも区切りがつかないこんな浮遊感が、たまらなく空しく感じる時があります。
●1ヶ月ほど前のことだったか。新宿のタワーレコードで洋雑誌をパラパラと見ていたら、横でブランドンが「あ、これデミ・ムーアの旦那だよね?」と指差す雑誌が。ん?と目をやるとそれは若い男の表紙で、えっ!デミ・ムーアってこんな若い男と再婚したの!?って言うかなんでそんなこと知ってんの?えーっずいぶん前の話だけど、みたいなやり取りがあって。その雑誌を手に取りまたパラパラと眺めていると、ファッション系のページで横からストップをかけられ「たまにはさぁ、こういうちゃんとした服も買ってみたら?」と言われ、…返す言葉も無いのではいはいわかりましたと、参考のためその雑誌を買って帰りました。●帰ってきてその雑誌を眺めていると、あら気付かなかった、こんなのが載ってたのね、とファッションページが一気に吹っ飛んでしまう記事を見つけまして。

子供を持ちたいと思うゲイが増えているんだそうです。で、実際に行動に移しているゲイも増えているんだとかで。
まぁここまでは今までもあった話で、べつにこれに驚いたりはしなかったのだけれど、それはもうゲイだとかそうじゃないとか関係ないんじゃないの?って思ってしまう話があって、頭の中を整理するのに結構時間がかかりました。
家族が欲しい。そう思った時に、パートナーではなく「子供」を欲しがる人がいるんだそうです。自分の子供が欲しい。自分一人でも育てたい。そのために代理母の需要(っていう表現がいいのかどうかわからないけれど)も増えているんだとかで。わぁ…、そんな発想、全然無かったかも。よく「子供は欲しいけど旦那はいらない」って言う女性の話は聞くけど、そういう発想が男性にもあるわけか。これ、一種のカルチャーショック。それとも僕が無神経なだけだったんだろうか。
恐らく、そこでは大金が動き、欲しいってだけで生命をそんなふうに…、みたいな倫理的な面で批判もあるんだと思います。そうやって生まれた子供が幸せになるのなら、それでいいじゃない。って話もあるんでしょう。僕は正直、どっちつかずな感じかな。どっちもわかる。どっちかにしろよ、って言われれば、んー、ゲイの肩を持つ格好にはなるかな、とは思うけれど。一応、自分のための道も開いてはおきたいから。
●しかしまぁ。ちょっと次元の違う話になるけれど、勇気あるよ、そうやって子供を持つ人は。先のことを考えたら、不安になること多いもの。子供が大きくなって、まわりの親と自分の親の状況が違うことに気付いた時、僕はそれをどう説明してどう納得させてあげられるのか。しっかり守ってあげられるのか。強く優しく育てられるのか。考え出したらキリが無い。雲をつかむような話。
一方で「家族です」って胸張って言えるのは、うらやましくもあり。
あー、難しいね。
ま、親は、生まれた時から親だったわけじゃないし。子供を持って、初めて親になるわけで。いろんな失敗もあって、そしてだんだん親になっていくものだとすれば、まだ何も起こっていないこの状況で怖がることもないのかもしれないし。
なんだか…取り留めなくキモチが揺れてるなぁ。
やっぱりどこかで「子供が欲しい」って思ってるとこあるのかなぁ。
何?
夕食時、ブランドンと話をすると彼はいつも口にいっぱい詰め込んだまま喋るので、何を言ってんのかわからないことが多い。
もう1度言ってよ、“競歩はどこに待ったよ”って意味が全然わかんないよ。
モゴモゴと口を動かして、半分くらい飲み込んで彼が言い直します。
「今日もあの子と会ったよ」。
なんだ、そう言ってたのね。それにしてもまたよく会うよね、あの子と。
●上の階に住んでいる、小学校1、2年生くらいの男の子。臆することなくブランドンに話しかけてくる元気な子で、初めてエレベーターの中で会った時にもいきなり「どこの国の人ぉー?アメリカぁー?北極ぅー?」と聞いてきたと言います。朝の出勤時に会うことが多くて、電車の時間に間に合うようにパパっと駅へ行きたいのに、カバン持たせてぇー、中に何入ってんのぉー、となかなか彼を解放してくれないそうで。最近は通学路をまるで止まってしまうんじゃないかと思うほどのカメのスピードで歩いてたり、水溜りの周りをグルグルまわっていたりしているところに遭遇してしまって、「なんかちょっとかわってる子なんだよね」って話はよく聞いていたのだけれど、ふーん、今日も会ったんだ。で、今日は何やってたの?「道端にしゃがみこんでさ、傘で土を掘って草をむしってたよ」
あらら。で、見つかってまた話かけられたわけだ。大変だったね。●昔からそうなのだけれど、ブランドンは子供と打ち解けるのがとても早い。というか子供のほうから寄ってくることが多くて、子供に英語を教えるアルバイトをしていた時など、なかなか子供が離してくれないものだから「時間オーバーしちゃうのはいいんだけど、バイト代上げてくれないかなぁ」と苦笑いしていたほどでした。見ていると、彼は子供の扱いがものすごく上手。喜ばせ方とか、その気にさせるテンションの上げ方とか、かと言って好き勝手やらせないブレーキのかけ方とか。あれはきっと、頭で考えたテクニックとかじゃないんだろうな。なにかこう、自然と身についた彼なりの空気の作り方、みたいな。彼にはひとまわりほど歳の離れた弟がいて、子供の頃、ベビーカーを大暴走させて弟を喜ばせたり(母親には怒られた)、共働きの両親のかわりに幼稚園へ迎えに行って、弟にいろんな話を聞かせながら帰ってきたり、っていう思い出話を聞くたびに、あぁその延長線が今の彼なんだぁってしみじみ思うわけです。
●その点、僕は全然ダメで。一人っ子ってのが関係あるのか無いのかわからないけれど、子供がちょっと苦手。苦手と言ってもイコール嫌いって話でもなくて、見れば可愛いと思うし笑い声とか聞くとこっちまで楽しくなっちゃうけれど、んー、どう接していいものかわからないと言うか。今まで、身の回りに赤ちゃんや子供がいたためしが無いので、その扱い方がわからないんです。どことなく大人目線で接してしまう、ガチガチに大人対子供の関係を作ってしまう、そんな感じ。ダメなんだよなぁ、こっちがすっかり緊張しちゃって。
●ところで、あの子は草をむしって何をしてたんだろう。「学校が嫌いなんだって」。
イジメられてるとか?いや、そうじゃなくて勉強が嫌いなんだってさ、数がよくわかんないって。あぁそれで毎朝ノロノロ歩いてたんだ、で? 好きなのは体育って言うから、今日は無いのか聞いたら「ある」って言うし、じゃぁ良かったじゃん、急いで行かないと算数の時間が増えちゃうかもよぉ、って言ったら「やばい!」って言って張り切って走ってっちゃったよ。
んー。さすがだね。

●子供欲しいって思ったことある?
ブランドンに聞いてみると、答えは予想通り「あるよ」。知りたいことやこの世界のことを全部教えてあげたい、ってそれはまたずいぶん壮大な話だこと。僕?うー…、どうだろ。居たら居たでいいけど、あんまり自信無いな。
「大丈夫、優しい、いい親になると思うよ。」
そうだろうか。
僕は父親が30歳の時の子で、それで言うと今年38歳になった僕には、学校が嫌いなあの子くらいの子供がいても全然おかしくないわけで。一体どんな親になるのかなぁ。と手の届かない想像が頭の中をグルグルと駆け巡ります。
「だから遅刻しちゃったよ」。
そうなんだ(苦笑)。
●ブランドンが出張で居なかった、春先のとある金曜日のこと。スーパーでレジを待ちながらふと外へ目をやると、ものすごい夕立で真っ暗になっていました。降るとは聞いていたので一応傘は持って来たけど、それにしてもこれほどまで凄い雨になると知っていれば、何もわざわざこんな離れたスーパーまで来なくても良かったのに。しかもなんでこんなに買っちゃったんだろ、今晩一人なのに。傘を差しつつ両手に袋を下げるという窮屈な体勢でノロノロ進む帰り道。やっとマンションの前まで来ると、入り口の前で雨宿りをしているズブ濡れのサラリーマンが立っています。あれっ…何やってんの?
「わっ!何やってんのも何もハリーちゃんこそ何だよ!?」
何だよって、ここ、うち。そう教えながらマンションをアゴで指すと、うわぁ助かったよぉ、と、誘ってもいないのに彼は僕の後についてきたのでした。
出した牛乳を一気飲みして、なんだか突然集中して仕事を始めているので、僕は僕で邪魔にならないようにキッチンでガタガタとやっていると。「今日行ったとこの社長なんだけどさぁ」と。画面を見ながら話し始め、こんなことがあってさ、あんな人がいてさ、でさ、でさ、と続きます。それがだんだん相談ごとになり、やがて愚痴になり、こっちも励ましたり茶化したり。そんなことをしているうちに風呂の準備も出来て、奴はバスルームへ。よくまぁ人ん家に来てあんなバカデカい声で歌唄えるよなぁ、と皮肉っぽく感心しつつ、僕は濡れたワイシャツにアイロンをかけます。●案の定、風呂から上がってきた途端「なんかある?」と。そう言うだろうと思って準備しときましたよ、でもそれ食べて服も乾いたらとっとと帰ってよね、バスタオル一つでウロウロされるのも目障りだし。すると、「うちの奥さんさぁ、今、実家帰ってんだよ」。なによ?喧嘩?「いやぁ、お腹大きくてさ」。あらら良かったねー!だからって夜も食べていこうとか考えないでねー迷惑だから。と釘を刺した上で皿を並べます。肉ばっかり食べんじゃないよ、とか言いながら。昔はとにかく一緒にいろんなとこへ取材に行ったものだけど、いつもステーキ食べてる印象しか無いんだよね。
●食べさせた後も最近の仕事や会社の話を聞きながら、笑ったり驚いたり。そんなことをしているいうちに洗濯したものも乾き、時計を見ればそろそろ19時です。黙ってると泊まっていきそうな勢いなので、さぁ帰れ、今すぐ帰れ、と急かし、やっと玄関口へ押し出して。もう来ないでくれる?という僕の言葉をわざとかき消すように「行ってきま~す」と笑いながら奴は出ていきました。なんなんだ一体。ふぅ。一息ついてテーブルを見ると、あのバカ書類忘れてってる!急いでそれを持って駅へ追いかけていきました。忘れ物ー!
●奴は、デカい子供でした。僕の中にはどうも父性も母性も無いような気がしてならないのだけれど、もしうちに息子でもいたら…こんな感じなのかなぁって、珍しくそんなことを思ったりして。牛乳を飲みながら「なんか実家に帰ってきたみたいだよ(笑)」って言われたこともあって、余計にそんなこと考えちゃったのかな。子供の頃、僕はいつもキッチンで宿題をしていて、母親と話をしながら夕暮れ時を過ごしていました。まぁ、そんな記憶も重ねつつ。きっと…子供が欲しい、ってそんな話ではないんだろうと思うものの、最近どういうわけか子供の話を聞いたり見たり読んだりすることが重なっているので、あと数回、子供にまつわる話を続けます。今回のように、これといって結論の無いメモ書きみたいな感じになると思いますが。
●ここへ引っ越してきた時、換気扇のところに「フィルターの交換はフリーダイヤル0120-○○○-○○○」というシールが貼ってあったので、素直にそこへ電話をしたら、これがまたやたらと高いフィルターを買わされるハメになり。それからというもの「キャンペーンのお知らせです」と勧誘電話がかかってくるようになったのだけれど、そのキャンペーンというのがなぜか月に2回も3回もあって、しかもいつも朝っぱらからかかってくるものだからいい加減にしてくれよと思うわけです。
●土曜日。鎌倉へ紫陽花の写真を撮りに行くことにしていて、でもちょっとゆっくりもしたいので目覚ましは9時半にセット。しかし、僕らを叩き起こしたのは目覚まし時計ではなく、プルルルルル、家の電話の音でした。時計を見ると、9時20分。げぇ、あと10分眠れたのに、この時間の電話だとまたキャンペーンのお知らせかよ…。とりあえず留守電になってるのでそれは放っておいて、目覚ましが鳴るまでの10分をベッドの上でグズグズとやりすごしていました。●…そういう時の10分ってのは案外早いもので、あっという間に目覚ましが騒ぎ出すものだからノソノソと起床。んもぉキャンペーンの野郎め、そう思いながら留守電を再生してみると、「起きてる?」、あれっ?叔母さんの声だ。
「岩手のほうで大きい地震があったみたいだから。電話しても全然繋がらないから、何かわかったらこっちにも連絡ちょうだい」
わわわわわ大変だ、急いで実家へ電話するもやはり繋がらず、テレビへ走ってニュースをつけると、震度6強!?ブランドンと2人でテレビの前に座り込み、んーたぶん大丈夫だとは思うんだけど、、、ガスとか使ってたら危ないよね、、、家が崩れるってことは無いと思うんだけど、、、どんどん不安が募ります。
1時間、電話をかけ続けても繋がる気配一切無し。テレビでは状況がだんだんわかってきていて、うちのほうはどうも震度4っぽいから、きっと大丈夫だよね。と話してると、プルルルルルと電話が。うちからか!?慌てて出ると「換気扇フィルターの○○サービスでございますぅ、本日はキャンペーンのご案内で…」ってどんなタイミングよ(泣)。
結局その後も実家へ電話をかけ続け、やっと繋がったのは数時間後。わりとケロっとした声で「あら大丈夫よー」って、ちょっと拍子抜けしてしまいました。あのさー心配してんだから大丈夫なら大丈夫って電話くらいちょうだいよ、そう言うと、
「だってあんた鎌倉に行くとか言ってたし。どぉ?紫陽花は。写真撮れてる?」
撮れてるも何もまだ家だし。今からじゃもう遅いし。
ってこの際鎌倉はもうどうでもよくって、とにかくひと安心でした。
●「あんたたちも気をつけなさいよ」って言われて電話を切ったけれども、こればっかりは気をつけようが無いと言うか。一応、震災セットみたいなものは用意しているし、その他に水も食料も確保してあるけど、都合良くここに居る時に地震が来るとも限らないし、そもそもそんな時に自分がどう反応するかなんて全くの未知数。ほんと、どうなっちゃうんだろ。大丈夫かなぁ。
●GWに実家へ帰った時、母親が僕に買って来いと言ったのは、言わば若奥様御用達の雑誌でして。主婦暦40年に近い母にはどう考えても必要の無い本だし、そもそも今までに一度も買ったことが無いはずの雑誌だったのだけれど、新聞広告に出ていた「-3kgで幸せなカラダになる!/話題の1分間骨盤ダイエット」という見出しが気になって気になって仕方なかったようでした。
●実際にその骨盤体操をやったかどうかはまぁいいとして(笑)、翌日には古新聞と一緒にポンと置かれていたその雑誌を拾ってパラパラと見ていると、これが結構面白いと言うかビックリと言うか。驚きの生活情報満載で、勢いで

これ今月も買っちゃいました(苦笑)。凄いんだホントに。
●なんとなく誌面全体に漂うのは「ビンボー自慢」的なノリで、転じてそこから「やりくり上手自慢」になっている模様。そんな奥さんたちをこの雑誌は節約美人と持ち上げているのだけれど、みたいな人がたくさんいて、生命保険だ学資保険だ自動車保険だ自動車ローンだ、家賃や光熱費や電話代やレジャー費やなんだかんだ全部全部ぜーんぶひっくるめて、それで尚且つ3万円余るってのが不思議。って言うかミラクル。そもそも何?食費がにににににに2万円!?
うわぁ...絶対に無理。
貯金はマイホームの頭金と旅行費にまわしまーす♪って。すごい、の一言。口がアングリ開いたまま閉まりません。(脱帽。)
●うちは二人とも働いてるからさすがに手取り20万円ってことは無いのだけれど、マイホームどころか旅行だって夢のまた夢。車があるわけでもくだらない贅沢をしているわけでもないし、子供どころかペットだっていないわけで、あと削れるところと言えばやっぱり...食費なんだろうか。にしても、どうやれば2万円に?
ヒントを求めて買ってみました、「3品献立"1人分"250円」という本。よし、頑張るぞ。これで夢のマイホームだ(嘘)。本気モードで開いた1ページ目、献立は「鶏のから揚げねぎソース+ちぎりキャベツのサラダ+けんちん汁」で、3品一人ぶん171円。2人ぶんでも342円!?すごーい。よし、今夜はこれだ。そう思って材料をメモ。えーっと、まず鶏もも肉ね。鶏もも肉。
...ってさ、鶏もも肉買った時点でいきなり341円吹っ飛ぶんじゃないかい?
もういい。諦める。だってうち、モリモリ食べる男2人だし。ゲイだし(←これは関係ないけど)。 節約、それ自体はいいんだけどね。こんなことばっかり考えてると、ちょーっとキモチが淋しくなる気がする。でもなぁ、ここまでしないと夢ってかなえられないのかなぁ。
とちらを選ぶか、それが問題です。
●まだ携帯電話が無かった頃の、土曜の昼下がり。仕事で徹夜続きだったものですっかりダウンしていると、それを邪魔するようにトゥルルルと電話が。留守電にしていたのでそのまま黙ってベッドの上で聞いていると、「キャーっ!」と声がします。続いて"ただ今留守にしています"と流れているその間も電話も向こうで「わっ!」とか「うぅ~っ」とか喋っているようで、"ピーという発信音の後、メッセージをお願いします"、ピー、と鳴るやいなや「死ぬーっ!」、そしてガチャっ、ツーっ、ツーっ、ツーっ、...。こ、この声は、あいつだ。何事だ?急いで飛び起きて電話をかけ直すと、ツーっ、ツーっ、と話し中の音。リダイヤルを繰り返し、やっと繋がったと思ったら「た、助けてー!!」と叫び、再びガチャっ、ツーっ、ツーっ、ツーっ、...。おいっ!!だだだ大丈夫かっ!?
●うちのマンションでは定期的に消防点検なるものがあって、そのたびに3人くらいの作業員が両手に検査道具を持ってやってきます。なぜかいつも平日で、こんな平日に他の部屋の皆さんはいらっしゃるものですか?と聞いてみたら「いやぁ、ほとんどいらっしゃいませんねぇ」ってそりゃそうでしょ。まぁ、うちの場合はこうして平日でも平気だし、逆に土日を縛られるとかえって都合が悪いので大歓迎ですけど。●キッチンの上にあるガス漏れ警報機、各部屋の天井にある火災報知機、さらに火災報知機はトイレや洗面所、押入れの中にまであって、なんだか生活の全部を見られるようでちょっとヤな感じ。もちろん、ジロジロ見られるようなことは無いのですが。むしろ余計な物を見ないように一生懸命警報機のチェックに集中しているようなとこがあって、ちょっとお互いに気まずさがあったりもします。
●「ベランダも見せていただいてよろしいですかー?」、と作業員。避難はしごがちゃんと使えるかどうかを点検するということで、ベランダへ通します。と今度は向こうから「洗面所、よろしいでしょうかー?」ってもう、勝手に見てくれてもいいのに。はいはい、と洗面所へ通し、作業を見守ること約5分。ベランダから作業員が戻って来て「全て終わりましたのでハンコください」ということで作業終了。ご苦労様でした、と送り出し、僕は仕事場へ戻ります。
●1時間ほど経った頃でしょうか。隣の部屋から、何か音がします。ポーっ、ポーっ、ってなんのブザーだろ?たしか火事の時は「火事です!火事です!」って騒ぐはずだけど。不安になって恐る恐る行ってみると...。げっ、テレビの上に鳩が!うわテーブルの上にも鳩が!!
ベランダを点検した作業員、網戸を閉めていかなかったんだ(汗)。
二羽の鳩が、部屋の中でこっちを向いてポーっ、ポーっと鳴いている、見たことの無いシュールな光景。...怖い。目と目が合い、お互いに完全にフリーズ状態。僕はそーっと後ずさりし、何をしたかと言うと

ブランドンへメール。そしてまた鳩のいる部屋へ戻り、さてどうしたものかと考えていると、ジャーン!というブランドンからの電話の音に驚いた鳩がバサバサっと飛び上がり、部屋中を狂ったように旋回!その様子はまるでヒッチコックの「鳥」。僕もパニックで一緒に駆け回り、なんとか鳩を外へ追いやろうと奇声を上げて立ち向かいますが、携帯の向こうにはドタバタととんでもない状況だけが伝わっていたとかで、ブランドンも必死で「もしもし!もしもーーーーーーし!」と叫んでいたらしい。やっと鳩が出ていったところで、もしもし?と電話に出ると、「...なにやってんの?」。だから鳩だよ、鳩!あいつらだな、いつもベランダにフンだのタマゴだの置いてくのは。どう思うっ!?
鼻息荒く早口で同調を求めるも、「もう切っていい?」と言われ、しばし呆然。なんだよ、わかんない奴だな。
「あのさぁ...、猫がいたのよ。部屋に」
...はい?
「ドアを開けっ放しでゴミを捨てに行って、戻ってきたら部屋のど真ん中に猫が座っていたのよ。」
しばらく睨み合い、そーっと追い出そうとすると毛を逆立ててフンギャ!と威嚇してきたものだから、たまらず電話したものの会話にならず出手来た言葉が「死ぬーっ!」、ってそんなのアリかよと思っていたけれど、今ならわかる。
アリだね、絶対。
●スーパーで買い物をしている時、他人のカゴの中を食い入るように凝視するおばさん。あれは一体…。視線が合っても、何食わぬ顔で再び覗き込む。ものすごい度胸、ある意味これも「スーパー」。
●土日は2人でスーパーへ買い物に行きます。いつも一緒なのでまわりもなんとなくわかってるんだろうけど、そんなことはべつにどうでもよくって、むしろ手をつなぎ絡まるようにイチャイチャしながら買い物をしているビアンカップルに、こっちが赤面してしまったりして。僕らが横を通り過ぎようとも、まったくこちらを見る気配なし。まぁ、だからと言って僕らも見せ付けるように対抗しようって思うほどヒマじゃないし、それこそどうでもいい話なんだけど。
●買い物の最中で一番困るのは、ブランドンの知り合いにバッタリ会うこと。しかも全員外国人ときています。このへんに住む外国人はみんな近所の同じジムに通っていて、それはブランドンも同様なものだから、顔馴染みの多いこと多いこと。さらになぜか全員頭に「スーパー」がつくほどの巨漢で、聞けば「あの人たち、昔はちゃんとジムに通ってたんだけど、今はやめちゃったんだよねー」ということだそうで。そんなわけで久しぶりに顔を合わせるので「Hi!!!!!」と握手から始まり、そこからの立ち話が長いんです。
…困るのよね、こういう時、どうしたらいいのか。
黙って話が終わるまで後ろで待ってるのもなんか嫌だし、初対面、しかもスーパーのど真ん中での立ち話で「パートナーですぅ」と無駄に話を拡げたくもないし。もっと言うと英語での会話はそもそも根っこからアウトなので、結局僕は消えるようにそーっと後ずさりして、コソコソと買い物を続けることになるわけで。ただ、立ち話を終えて「ゴメンね~」と走り寄ってきて、今の人はああでこうでと一生懸命話してくれる彼を見ると、なんだか気を使わせてしまって申し訳ないなぁと思ったりもして、どう立ち振る舞うのがベターなのか、ちょっと考え所だったりします。
●買い物も終盤。あれは買ったし、あとは…大丈夫かな、とチェックをしていると、見ろ!見ろ!と言わんばかりにブランドンが僕の肘を叩きます。なんだ?またあのビアンカップルか?と思い彼の視線を追いかけるとそこには、、、有り得ないほどの超ド級のスーパーマッチョが。超人ハルクの実写版みないな、なんだか不自然な塊りみたいにも見える、(僕らよりちょっと)おじさん。上腕三頭筋とか大腿二頭筋とか体裏の筋肉がもの凄くて、きっと何かポリシー持って集中的に鍛えてんだろうね、って感じのスーパーマッチョが、カゴを持ってウロウロしていました。呆気にとられた僕ら2人。一体何を食べたらああなるんだろうね、と話しながら揃って何をしたかと言うと…、、、さりげなく後を追いかけ、カゴを覗き込んで中身をチェックしたのでした。この時点で、冒頭のおばさんは無罪放免です。帰りながら。何買ってたか見た? 見た見た、玄米パンとカッテージチーズと、牛乳と赤身の肉と鶏のささ身とブロッコリーだったよ。 なんか基本に忠実、って言うか、やっぱりストイックにやらないとあんな体にはならないんだろうね。 朝夕ジムに通ってんじゃないの? だって仕事は? そのためにパパっと終わらせてるとか。 すごいね。 ね。 やる? やだよ(苦笑)。 でもさ、あれじゃ野菜が全然無いよね。 サプリとかで大量に摂ってんのかなぁ。 あ、これ美味しいね。 そぉ?ちょっと甘すぎない? えー、ちょうどいいと思うけど。 お茶も買えば良かったな。 自販機で買う?
レジ前に並んでいて思わず買ってしまった饅頭を食べながら、自分を律する難しさについて語り合ったのでした。

●それにしても。やっぱり自慢の体は見せたくなるものなんでしょうかね。腕って言うか肩も半分くらい出るくらいピッチピチのシャツに、見てくれと言わんばかりの超短パン。僕なんて、こんな足を見せるのが恥ずかしくて、今年流行のハーフパンツすらはけずにいるのに。
●髪って、ある日突然ガッと伸びるわけじゃないと知りつつも、昨日まで全然平気だったのが今日になって「うわっ、急にすごい伸びてる!」みたいな感じでいつも驚かされます。最近ちょっと伸びてきたなぁ、と途中で思うことってまずありません。
今回このボサボサ頭に突然気付いたのは、父の件で実家へ帰ろうと、ここを出ようとしたちょうどその時。そう言えば親戚の叔母さんとかも行ってるんだよなぁ、と思いながらふと鏡を見ると、げっ、ちびまる子みたいな頭になってる、いつの間にこんなに伸びてたんだろ(汗)。叔母たちに会うのは久しぶりだし、とりあえず頼りになる一人息子として帰る時にこの髪型では説得力無いだろ…。と、普段は使わない強めのヘア・ワックスを急いでつけて、それなりにカタチを作って東京駅へ向かったのでした。
「あ、坊主って言ってもね、イマドキの坊主は坊主じゃないんですよ」
じゃあそれは坊主って言わないんじゃないの?「いや、坊主は坊主なんです」とまるでオチの無い落語みたいなわけのわかんない会話をしばらく続けるハメになりました。よーく話を聞くと、イマドキの坊主っていうのは、三ぁん瓶ぇいでぇ~す的な頭ではなくて、前髪を短く落としたり、上はかなり頭皮が見えるくらいすいて立たせたり、スッキリさわやか系、そういう感じのものを言うだそうで。ん~、と迷っていると「松ちゃんみたいな感じでもいいですよね」ってそれは完全に坊主だろ。まぁ、そんな話をしている最中もハサミは勝手に動いているわけで、とりあえず今回は普通に短くしてくださいと慌てて念押しをして、でも結果的にはなんだかいつもより短く切られたのでした。ま、いっか。これから暑くなるし。

帰り際。
でもねマスター、こうやって短く切っちゃったらここへ来る回数が減るから、売上が下がっちゃうんじゃないの?
一応個人事業主同士なので、若干そのへんのことを気にかけて聞いてみました。するとマスター、
「このくらい短くするとね、伸びてくると邪魔になっちゃって、逆に早く床屋に来るようになるんですよ」
…策略だったか。悪魔め。
●ところで。実家へ帰る新幹線ではシートを倒してポカーンと口を開けて爆睡したため、頭頂部よりちょっとズレたところにピョ~ンと寝グセが。さらに乗り換えた在来線では窓に横顔をくっつけて再び爆睡したため、耳の上あたりにピョ~ンと寝グセが。それに気付かないまま病院へ行き、叔母から一言。
「鉄腕アトムみたいよ」。
ウランじゃないだけ良しとしてやる。しかし「昔は“透けるように白い”ってイメージだったんだけどねー。やっぱり、あれね。東京が長いと汚くなっちゃうのねー」って、もーちょっと言い方があるんじゃないかい?
人知れず傷つきながらも(嘘)、病院だ役所だ銀行だ郵便局だ買い物だ山だなんだかんだと毎日動き回ってきました。で、「あんたはよく働くねぇ」、そう言う叔母へ反撃。
当たり前でしょ、アトムは十万馬力なんだから。
火事場のなんとかみたいに一瞬だけだったけどねぇ。
●嵐のような半月でした。
正直、父はもうダメかもしれないという話を聞いた時、僕は結構冷静で、もしそのまま逝くようなことがあっても、そういう運命だったんだなぁと静かに見送る用意が出来ていました。むしろその後のこと、例えばお葬式のことや母をどうしようかとか、そういうことを淡々と考え始めていたりもして。でも、病室の父を見て、治して元の生活に戻ろうと笑顔で耐えている父を見て、あぁこの人を再び手術室に送るのは、その笑顔がまた曇ってしまうのを見るのはとても僕には耐えられない、心からそう思いました。簡単なものではないようです、この手の感情の整理は。
●さて。「手術しても、2、3ヶ月はかかると思いますよ」と大掛かりに脅されていたわりに、先週末、手術から2週間であっさり退院となりまして。これは一体どういうことなんでしょう(苦笑)。まぁ入院していても何かとおっかない病院だったし、早めに出られただけラッキーだったかもしれない。機会を見て、違う病院でちゃんと検査させることにします。一方で、今回のことは母には相当堪えたようで、安定剤が手放せなくなってしまいました。病院からは「肩こりも治っていい薬ですよ」と言われ、本人もよくわからないまま「これがあると安心なのよ」と飲んでいるわけですが、デパスはあまり常用してほしくない薬なので、これからどうやって母の心を落ち着かせようか、それがちょっと頭の痛いところです。
●今回のことで、ずいぶんメールで励ましていただきました。なんとお礼を申してよいのやら。僕自身は落ち込んでいるようなことは無くて、むしろテンション高めのままゴチャゴチャ切れ目なく考え続けていたつもりでいたのだけれど、メールを読むたびに「あぁ頑張ろう」とか「もっとしっかりしなくては」と思ったことを考えると、やっぱりどこか下がってた部分もあったんだろうなぁと改めて気付かされた次第です。
●先週末にはブランドンが有給を取って実家へ来てくれたこともあって、父も母も楽しかったんじゃないかな。とにかく2人には早く元気になってほしいものです。そんな2人に「また夏来るから」と言って、僕とブランドンは今週月曜に東京へ戻ってきました。とりあえずはこれで、また元の生活に戻れそう。このカテゴリーには、しばらくは記事を追加したくないなぁ…。
ってなわけで。

無事、カエル。
●それは、明らかな誤診から始まった。その日の当直だった呼吸器内科の医師は、激しく嘔吐し腹部の痛みに苦しむ父を見て、レントゲンを撮るでもなく一言「胃かなぁ」と告げ、薬のひとつも出さずに診察を終えた。そういう痛みではない、という父の言葉に「あんたは医者か?」と捨て台詞を残して。
●帰宅し安静にするも、日増しにひどくなる痛みに耐えかねて、父は再びその病院へ行った。(田舎では病院の選択肢がほとんど無いに等しい。) 嘔吐するものは毒々しい体液のみになり、一人では歩けなくなっている父を見てもなお、あの呼吸器内科の医師は「様子を見ましょう」と診察を終えた。見かねた看護師がカルテを他の医師へまわし、下された診察は「急性胆嚢炎」。それは、もし自宅で爆発していたら即死ものの有り得ないほど酷い状態で、そこでやっと緊急手術が決まった。初診から5日目のことだ。
●至急採血を、ということになるも、看護師が採血に失敗。父の腕からは血液が噴出し、慌てる看護師は抑えようとして血だらけに。それを見て、母は1人パニックになった。
●手術が始まり1時間少々が経過した時、手術室から母を捜してスタッフが飛び出してきた。危険な状態、輸血が必要なので同意書にサインを求められる。この病院では、こういう事務手続きを事前に済ませておくようなことはしない。退院時に事後報告でサインを求めることもよくある話だという。
●術後の「完全看護」も極めてずさん。発熱への対応、無し。点滴の管理も無視しているのに等しい。看護師のスキルもバラバラで、当たりハズレが激しい。
●調べてみてわかったこと。最初に診察した医師は、なにかと問題アリな人物なのだそうだ。べつにこんな所に居たくて居るわけではない。というスタンスのその医師のおかげで、相当数の患者が隣町の病院へ流れたと言う。そもそも呼吸器内科の不手際は、やがてシワ寄せが外科へ向かうわけで、外科の評判はつまり病院全体の評判へ繋がる。なぜ病院がこんな医師を残しておくのか、その理由がよくわからない。一方で、急患全てをこの病院で診察しなければならないという現状もいかがなものだろう。タクシー代わりに救急車を使う老人も多く、病院内の疲弊した空気はさながら希望の無い野戦病院といった感じだった。●この町は、「お産が出来ない町」としてもたびたびメディアに取り上げられる地。医療の悪循環に出口は見つかるのだろうか。と、そんなことを考えていた矢先、こんなニュースが飛び込んできた。
病院とは一体、どういうところなのだろう。
だけど近くにあるんだよ。
だいたいを家の中で過ごす在宅ワーカー。都内在住の39歳。パートナーのブランドン(外国人/ヨーロッパ圏)との生活は、気付けば13年目に突入。地味に静かに暮らしています。
Chibi-log
もうすぐ春ですね。
仕事そっちのけ、確定申告も全くの手付かず状態のまま、徹夜してまで見入ったバンクーバー五輪もそろそろ閉会。毎回思う、「冬季五輪が終わったら、そろそろ春なんだなぁ」。
いろいろ落ち着いたら、またブログ始めてみようかな。
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愛は人にも、地球にも。
まずは、出来ることから。
↓あの曲がなんでこんなアレンジに!?と毎週流れるテーマ曲目当てに見てたわけだけど、もしかしてあれ、実は面白かったんじゃないか?と今にして思うドラマ。DVDになってないのね。そうなると、ますますもう一度見たくなる。若かったなぁ、メロリンQ。
●幕末高校生(1993)
●Twilight In Upper West(T-SQUARE)
↓昨年末からかなりキてる。いいぞ、ワトソンとグローバンの間あたりのポジションを目指すのだ。
●Going Home(Will Martin)
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