時間差通訳はジワジワくるよ。
●字幕も吹き替えも無い海外映画を見る時、頼りになるのはブランドン。
…なはずなのだけれど、あの人も通訳のために隣に座っているわけではないので、話に引き込まれていくと通訳として全く機能しなくなってしまいます。
セリフ:『★△$◎ж£Ё※■♂∞*#∠∀∇』
僕:「なんだって?」
ブ:「ん?…んー。」
セリフ:『○*◆∞*ж△$◎ж£Ё※■♂∞』
僕:「なんでこの人怒ってんの!?」
ブ:「…んー。」
セリフ:『Oh my god…』
ブ「オーマイガー。」
いや、それくらいはわかります。
てな具合。
そんなわけで、最終的に誰が犯人だったのかよくわからないまま終わってしまった映画も数知れず。まぁそれが面白い映画だったのなら、終わった後ブランドンのほうから「あの時はね、」と時間差で通訳があるので、何も説明が無いのであればとりあえずその程度の映画だったんだろう、と僕も思うわけで。あまり突っ込みを入れることも無く、その映画は二人の記憶から消えていく道筋をたどるのであります。
●ちょっと前の日記にも書いたけど、ここ最近は集中力が減退しているせいか、どうも映画に2時間もつきあう気になれないでいます。「いいテーマがあれば」という部分で言うと、ゲイがらみのものだったら…ちょっとは興味も向くものの、じゃあゲイが出てくる映画だったら何でもいいかと言えばそれは絶対にそうではないし。
先日、少々フライングで「MILK」を見ました。
正直これもキツかった。ハーヴェイ・ミルクに関しては、20代前半に見たドキュメンタリー「ハーヴェイ・ミルク/The Times of Harvey Milk」の印象があまりにも強烈だったもので、なんと言うかこう、、、内容よりも「ショーン・ペンの演技が評価されてる映画だよね」的な空気が先に立ってしまって、何度も時計を見ながらやっと見終わりましたというのが実際のところでした。いい映画なんだろうとは思います。今の僕には必要無いだけで。
…えーっと、話がズレました。
●土曜の夜に見た映画、「Patrik age 1.5」。ご飯食べながら見よっか?ということで全てテーブルにセッティングしてそれから見始めたわけでしたが、それはものすごーく浅はかな行為でした。なにせこれ、スウェーデン映画なので言語は当然スウェーデン語。(もっと言うと、あれがスウェーデン語ってやつなのかどうかもわからない。) 英語の字幕がついているものの、僕がわかるのは単語単語のザックリとした流れだけです。ブランドンにしても、いくら英語に不自由は無いと言いつつもネイティブではないので、観ながら読みながら、ってのは結構な作業。結局二人とも最後までずーーーーーっと画面にクギづけで、食事も手がつかないまま全部冷めてしまったわけでしたが、うん、それだけ良かったんだと思う。この映画。思う、じゃないな。良かった。すんごい良かった。
赤ちゃんを養子にする準備を進めていたゲイ・カップル。いろいろありつつやっと1.5歳の赤ちゃんを受け入れることが決まったはずだったのに、書類のミスで実際にやってきたのは15歳の少年。が、この少年、傷害歴のある問題児で、しかもホモ嫌いときてる…。Trailerを観るといかにもコメディーって感じで、二人もそのつもりで観始めたのだけれど、なんのなんの蓋を開けてみれば思いがけずのヒューマン・ドラマで、それはもうホロっときたりジーンときたり。
スウェーデンって確かパートナー登録制度があったはずだけど、だからと言ってそれが当たり前な世の中になっているかと言えば、そうでも無いみたいね。これが旦那です、と紹介すればその場の空気は固まるし、自分たち以外のご近所さんでこっそりパーティーやってたりするし。子供たちは「ホモ!ホモ!」と騒ぎ立て、その親は「うちの子に指一本触れるな!」と捲し立てる。
このへん、ちょっとリアル。
実は、うちのお隣さん。男二人で住んでいるのが妙だと思っているようで、表情にこそ出さないけど態度というか様子がおかしかったりします。もちろんそんなことを気にする僕らでは無くて、でも少なからず「あーぁ」という思いはあるし、決して気分のいい話でも無いわけで。なんとか仲良くてくださいと努力するつもりは無いものの、意味なく拒絶されるのは悲しくて苦しい、、、そんなシーンが映画にもさりげなく挟み込まれていて、二人、ちょっと言葉を無くしてしまいました。
●映画自体はハッピーエンドでめでたしめでたしでした。
一人で走ってたのが、

二人になって、

三人プラス犬になる、

てな感じで。
(ごめんなさい、ホントはそんな単純な話じゃないんだけど(涙)。)
●で、そこから始まるのが時間差通訳です。「あのシーンで彼が言ってたのはね、」とか「僕が好きだったセリフはね、」みたいな感じで、それはまるでジグソーパズルのピースを埋めていくように。観ていてなんとなくわかったつもりでも、例えば「しばらくはキミの面倒を見るよ」という僕のザックリな翻訳と、「人には必ず家族が必要。だから新しい家族が決まるまで、僕が家族としてしっかり面倒見るよ」というブランドンの通訳ではその深さに雲泥の差があるわけです。そんな後追いの通訳を、昨日も、そして今朝、朝ご飯を食べながらも話してるほどだから、二人にとってこれはよほどいい映画だったってことですね。きっと今夜、帰ってきてからもこの話かな。
見て「面白かったー」だけでは終わらない、むしろその後が長い、我が家の映画鑑賞法。温かいキモチを静かに引きずって、時間差通訳、案外悪いことではなさそうです。
【蛇足】
友人に「将来的には日本を出ていくことになるかも」みたいな話をしたばっかりだったけど、、、どうなんだろう、それが一番いいことなのか、ちょっとわからなくなってきた感じ。
と言うか、ホント、どうすればいいんだろう、って感じね。
見えないな、先が。
だけど近くにあるんだよ。
だいたいを家の中で過ごす在宅ワーカー。都内在住の40歳。ゲイ・パートナーのブランドン(外国人/ヨーロッパ圏)との生活は、気付けば14年目に突入。地味に静かに暮らしています。
Chibi-log
どっちが先に着くか競走だ。

ちょっと気温が下がったら出かけましょう、ってのが甘かったか、よく行く鰻屋の前には長蛇の列。聞こえてくる「あと10個!」「あと9個!」の声にハラハラしたけれど、ギリギリでラスト2個を買えたのは小さなラッキーだよね。
あの人は…そろそろ帰りの電車に乗った頃だろうか?鰻が好きな誰かさんのため、チャリンコ飛ばして帰ろうぞ。待ってろベイベー。
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映画を見終わった後も、いろいろ語り合える通訳さん。
楽しみが続いていいですね。
この映画も面白そうですが、ハリーさんていつもこういう
あまり知られていないような路線のものを見つけてきますよね。
でも今までの記事をずっと読んでいると、
ハリーさんがこういう映画を見るのはとても必然と言うか、
すごく自然なことのように思えるから不思議です。
ハリーさん、お元気ですか?
考えこんでいるようで、ちょっと心配しています。
● re:えるくん。
あーごめんごめん、元気ですよ。
考えなくてはいけないことと、考えないようにしてることと、考える必要があるんだろうなぁってこと、それがゴッチャになると、頭から煙が出てくるのよ(苦笑)。行き場があるんだか無いんだかよくわからない将来のことなんか考え始めると特に。
この映画もね、ロマンティック・コメディーとか言いながら、話の90%は実は煮詰まったり苦しんでたりするシーンで。だからちょっとね。見ててキモチが入っちゃったかな(笑)。
>あまり知られていないような路線のものを見つけてきますよね。
そうだったっけ?
まぁ、、、ね。わかりもしない国の映画なんか観てんじゃねーよって感じもあるよね(汗)。
その映画、面白そう。見てみたいです。
パリに一人、ゲイの友人(フランス人)がいます。
ご存知かと思いますが、フランスはPACSという制度がゲイ婚を半ば認めている形でそういう意味では日本よりずっと進んでいるように見えるのですが、やっぱりオランダほどではないようで。
あるファミリーパーティでの事。その友人がギリシャ人のパートナーのことを"mon mari(私の夫)"と呼んで紹介しました。するとその後彼らがいなくなった席で、彼がゲイだということを知らなかった別の友人の両親や兄弟が驚きと失望をもって彼のことを噂し、それを見て残念な気持ちになりました。
このように、政治的に受け入れている国でもやっぱり全ての人が感情的に受け入れている訳ではないし、処によってはネオナチとかKKKとか怖い人たちもいるみたいです。でも未だオネエMans以外のゲイがお茶の間に登場していない日本よりは、欧米のほうがオープンなコミュニティがたくさんあって住みやすい場所がありそうですよね。
問題はビザと長期滞在登録!?これしんどいから嫌いです。
お久しぶりですハリーさん。(でも毎回欠かさず読んでますよ?)
僕が住む国では同性婚が合法で、日本人のゲイの中でも結婚した方々を何人か聞いたことがあります。ただ僕らはどっちもそこの国籍を持ってないので、一緒に移民するという形を取ったんですけどね。その後が大変なんですが・・・
今住んでるアパートを借りる時、老夫婦の管理人さんが、借りることにしたアパートが狭いので「どうやって二人で住むの?」みたいなことを自然に聞かれたのを思い出しました。でも旦那さんの方が気遣ってか「一人は部屋で、もう一人はお風呂で寝るんだよ!」と言ってくれて、僕もすかさず「僕がお風呂場担当です!」と言ったんですけどね。
うちでもお互い英語のネイティブ・スピーカーではないので、英語で映画を見る時は時々「今何て言ったの?」って聞き合ってます。いや、聞いてるのは僕か、ははっ。ハリーさんもちょっと書いてらっしゃいましたが、僕も2時間も集中力なくって途中から絵を見てるだけ。
● re:Yuyuさん。
そりゃぁね(笑)、突然「夫です」って言われたほうはビックリもしますよね。それは多分僕自身もそうだと思うのでなんとなくわかるんですが、問題はその先。ビックリした!で終わらずに、何かこう…ゲイだってだけで人格まで全否定されるようなことになると、やっぱりツラいでしょうね。んー、自分だけ我慢すればいいだけのことなら大人しく笑って我慢するんでしょうけど、自分のパートナーまで色メガネで見られるようになってしまうのは耐えられそうにありません。でも、、、それが現実なんですかね。政治レベルでちょっと前を行ってる国では、そうやって正面から問題を取り扱っているぶん、反対派の感情ってのもまた目に見えてハッキリと前に出てくる、みたいな。
法が整備されてても人がね…って話になると、どんどん居場所が無くなるみたいで苦しいところです。
そうそう、この映画がいいなぁと思ったのは、たくさんいる登場人物の中で、ゲイが(この夫夫を含め)3人しか出てこないとこなんです。僕にとっては、もちろん心から話せるゲイの友達は必要だと思うものの、まわりがゲイばっかりだったらいいかと言うとむしろそれはかなり落ち着かない環境なんですね(笑)。なもんだから、ストレート社会の中で普通に暮らしていて、その中でいろんな問題にぶち当たっている姿はとってもリアルで共感度も大きかったです。
コメディーって言ってるけど全然コメディーじゃない、みたいなことを日記に書きましたけど、もしかして女性が見たらまた違う印象かもしれませんね。可愛い映画なのは間違い無いですよ。
● re:あおさん。
こんにちは。そちらってまだ全力で寒いんでしたっけ?こちらはそろそろ桜が、って季節になってきました。
正直言って、将来は海外かなぁなんてことを言いつつも、自分が海外で暮らすイメージって全然わいてこないんです。大丈夫でしょうか(苦笑)。
まぁ嫌でもいつかその日が来るのかもしれませんが、同じ日本を出るなら「日本から逃げる」より「必要な環境がある所へ行く」という感じで、前向きに進みたいところです。どっちにしたって結果は同じじゃねーかって言われればその通りなんですけどね(笑)。キモチ的に、なんとなく。心構えが違うと、なんだか途中で折れそうなんですよね。僕の性格だと。
>その後が大変なんですが・・・
みたいですね。覚悟や忍耐も必要、ってとこでしょうか。もちろん、それだけの価値があることなら頑張れそうな気はします。部屋を借りる時の心構えも教えていただいたし(笑)。恐らくそのへんのトンチっぽい切り返しが出来るのは僕のほう、でも会話能力があるのは彼のほう。かみ合わない二人…前途多難だなこりゃ。
>「今何て言ったの?」って聞き合ってます。
最近、日本の番組を見ていても「今何て言ってた?」と僕のほうが聞くことが多くなってきました(苦笑)。なんだかうも途中から見てんだか見てないんだかボンヤリしちゃって。かなりヤバいかもしれません。。。