ハリーのしっぽ > 日本語でお願いします。
●電車で隣に立った、女子大生ふたり。バイト先のなんとかさんの顔がやばい、とかなんとか話しているのだけれど、それは一体どういう意味なんだか。最近はgoodな意味で「やばい」を使うそうなので、だとしたら「カッコイイ」ってことなんだろうか。でもあの話の流れだと、どうなんだろう、若干「キモーい」的なニュアンスもあって、、、全くもうおじさんにはよくわからんですよ。
「あ、今日チャイゴ!?やばーい!」
へへ、おじさん、それならわかりますよ。チャイコフスキーの5番、だから「チャイ5」。そっか、オーケストラやってんのか。ショスタコーヴィチの5番はショスタ5、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」はダフクロ、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」はロメジュリ、あー高校生の頃は音楽室で毎日そんな話ばっかりしてたっけ。懐かしいなぁ。
●まぁ、チャイゴは理解できたからいいのだけれど、最近はどうも理解できない短縮言葉が増えているようで困りものです。ここのところよく耳にするようになったのは、「リスケ」という言葉。「リスケしてまたご連絡しますんで。」
はーい、と返事をしたものの何言ってんだかわっぱりわからず、電話を切った後すぐさま違う人へ電話して「ねぇねぇリスケってなぁに?」と聞いたところ、「あーそれ?スケジュールを組み直すって意味みたいだよ。re:scheduleってことなのかね?なんだかわかんないけど今流行ってんのよ、うちの会社で」と。そうですか。流行ってんですか。
言葉は生き物だから、それにとやかく言うつもりは無いけれど。でも仕事の大切な話で、わかる人にはわかる的な表現を混ぜ込むのはちょっとご勘弁いただきたいな、と思うわけ。で、そういう人に限って仕事で必要な用語がちゃんと理解できていないことが多くて困るのよね。
「大変ですハリーさん!先方に“写真をください”って言ったら、なんか色のついた薄いフィルムみたいなものを渡されたんですけど、なんスかこれ!?」
あー、ポジをもらってきたのね。いいよ、それ持ってきて。
「本当にこれでいいんですか?こういうのって普通白黒のフィルムみたいなやつですよね!?」
ネガのこと?いいよポジで、こっちでスキャンするから。
「ポジって何ですか!?」
だぁから今あなたが手に持ってるやつだってば。いいから黙って持ってきてくれるかな…。
ポジはポジフィルム、ネガはネガフィルム。いくらデジタル世代でも、それくらいは覚えときなさい。仕事なんだから。
へへ、おじさん、それならわかりますよ、チャイコフスキーの…
「てかさ、マジでやばいんですけど。全然勉強してないのよね」
勉強?
「卓球の愛ちゃんのほうが上手っぽいよね(笑)」
愛ちゃん??
しばらく会話を聞いていて、やっとわかった。
チャイゴって、チャイ語。中国語の授業、ってことみたいよ。
…ドリカムとは何の略?と聞かれて「ドリンセス・カムンセス?」とか答えちゃうオッサンの気持ち、なんだかすごーくわかる気がしてきた。
◎イケてる男の基準。
●出遅れ感に日々焦りを隠せない42歳、独身女性ディレクター。仕事に対しての姿勢は基本的に真面目であるが、アイドル・グループの全国ツアーを追いかけるのが唯一の趣味であるため、彼女の「出張」は偽装であることが多い。女性の前では「私、仕事と結婚しちゃったから」、男性の前では「私、早く仕事と離婚したいの」、と口癖を使い分けているあたり、器用であり痛いところでもある。
彼女とは現在、1画面中に5人のインタビュー記事を盛り込むという案件が進行中。内容は、某企業のヤリ手営業マン5人に登場してもらい、仕事のやりがい、将来の目標、プライベートの過ごし方などを語ってもらうというもの。この案件は、インタビューされた本人→その上司→さらにその上司→人事担当→広報担当、と確認作業が進むため、たった1画面にもかかわらず既に1ヶ月以上引っ張っているという、非常に手離れの悪い仕事である。
そろそろ校了か?と思っていた矢先、彼女からメールが。
イケメンが辞めちゃうんだって!
彼の部分、丸ごと削除して再アップよろしくー。
こんなに引っ張ってたら、人の一人も辞めるだろうよ。ってそんなことより、イケメンって…どれのことだ?僕に言わせれば、4人目の「今でも週末はラグビーチームで頑張ってます!」と笑う、営業のくせにアゴに絆創膏を張っているこの31歳なのだが。しかし、きっとこれは彼女の趣味ではないはず。2人目だろうか?人気の韓流スターに似てなくもない。
誰のことなのか、彼女にはっきり尋ねればいい話。しかし、この手の話題は極力避けたい事情がある。それは先日、彼女がここへ打ち合わせに来た時のこと。普段なら酔った席でしか言わない「私、結婚したいのよぉ(泣)」という言葉を、なぜかその日は真っ昼間から言い出した彼女。流れ上、聞き役に回っていると「吉田くんとか佐久間くんとかモロ好みなのよねぇ」と。吉田と佐久間?僕と同期の、あの吉田と佐久間ですか?それ、趣味悪すぎですよぉ~。女性スタッフにはほとんど知られていないが、彼らの夜の鬼畜ぶりは、同期の間では有名な話である。あんな奴ら、あなたには勿体無いですよ、という意味で言ったつもりだったのだが、「…やっぱり私、男の趣味が悪いってことよね…見る目無いってことよね…だからいつまでも結婚できないのよね…この先も一人なのかしら…」と、目の前で本気で落ち込まれてしまったからさぁ大変。その後、いくら盛り上げても回復の兆しは無く、打ち合わせはまた後日に仕切り直しましょう、という有りえない状況に。で、その案件が、今回のこの5人のインタビュー画面なのである。
よし、思い切って1人削除しよう。多分、4人目のラガーマンは無い。韓流スターも、よく考えれば彼女の趣味ではないはずだ。残り3人の中で可能性があるのは…、5人目の長髪だろうか?見ようによってはキム●クに似てなくもない。えいっ!もういい消してしまえ!あとはデータを送って、成り行きに任せよう。
その数分後、彼女から電話が。
もぉやだぁ!(笑) ハリーちゃんだって趣味悪いじゃ~ん!?
違う違う、3番目よ、3・番・目!
散々神経を使った挙句、行き遅れた女からなぜか男のチョイスを否定されてしまったゲイ。そもそも“イケメン”なんてわけのわかんない修正指示を出すな。
改めて5人の顔を見比べながら僕は思う。
「日本語でお願いします」。
3番目って…えっと、42歳の…えっ? このルー大柴みたいな人!?
◎「夕方に生きる男」。
●39歳、フリーの男性ディレクター。独身。自堕落な生活を送る自分の姿にカッコよさを見出している感があるが、「そういうこと考えるのは、やることをちゃんとやってからにしてほしい」とは周囲の弁。忙しくなると文句タラタラ、しかし暇になるとそれはそれで不安になる小心者。ただ本人は絶対にそれを認めないようとはしない。座右の銘は、「俺、ダメ人間だからさぁ」。
夜、0時近くに鳴る電話は必ずこの男。もはや「夜分遅くにすみません」という言葉には何の意味も含まれていない。時間に関しては見事にルーズで、「今晩中に送っておきます」というデータが実際にこちらへ届くのは、翌日の昼過ぎ以降。連絡がとれなくなってしまうことも多く、理由は必ず「親類の葬式だったんで」なのだが、それで言うとすでに60人以上の親類が死んでる計算になる。いい加減気づけ。みんなパチンコだってこと知ってるぞ。
電話の内容は「明日の夕方発注で1画面お願いできませんか?」というもの。彼の仕事は、基本的にクリエイティブがどうこういうものではなく、ゴチャゴチャした情報をスッキリ整理して組めばいいという、作業ベースな案件が多い。ただ、表組みとか面倒も多く、何れにしても時間は欲しい。ま、それはそれとして、発注はいついただけます?
明日の夕方。とか?
まず。こっちが聞いてんだから「とか?」とか聞くな。と一応突っ込んでみたものの、本当に問題なのは、彼が言うこの「夕方」というアバウトな時間帯。時に昼夜逆転したり、朝方4時にFAXしてきたりと、彼の生活時間帯は基本的に怪しい。ここは要確認。夕方って、何時ですか?
夕方、19時。とか?
こっちが聞いてんだから「とか?」とか聞くな。そんなことよりも、果たして世間一般に19時は夕方なんだろうか?「早めに発注したいとは思っている」というポーズと、「その時間に起きてるか微妙なので保険もかけておきたい」という弱気がこの19という数字に出ているのが見え見えである。
で、締め切りは?え?次の日の夕方?
夕方…。19時でいいんだろうか?一抹の不安を覚え尋ねてみると、
夕方、15時。とか?
こっちが聞いてんだから「とか?」とか聞くな。ってオイ、さっきの夕方とは4時間も違ってるけど、どういうことだ一体。
結局発注が来たのは夜23時過ぎ。これのどこが夕方だ。ヤル気も失せ、手をつけずに就寝。翌日朝から作業にかかっていると、なぜか昼過ぎに彼から「もっと早めにアップできない?」とプッシュの電話が。えー?だってこれ15時って言ってましたよね?
もうちょっと早い夕方だったら助かるんだよねぇ。14時前。とか?
「夕方」という言葉で意味が通じないのなら、最初からこんな言葉いらない。
窓から差し込む、まだ高い陽の光を受けながら僕は思う。
「日本語でお願いします」。
夕やけニャンニャンは17時からだったぞ。
●無茶な〆切りだったり、理解に苦しむ企画内容だったり。仕事をする上で「ストレス」と感じるものは多々あるのだけど、その最たるものはきっと「相手の言いたいことがよくわからない」とか「その言い方はどうよ」っていう、わりとレベルの低いことなんだろうと思うわけで。初回の打ち合わせは対面で行うようにしているけど、その後はもっぱらメールと電話。お互いの顔が見えないところで巻き起こる奇妙な会話が、僕を困らせ惑わせイライラさせるんです。
ってことで、文章に書いちゃえば自分の中で笑い話に出来ちゃうかも、と思い、これから時々書いてみることにしました。タイトルは「日本語でお願いします」。今後、このタイトルが出てきたら「あぁ愚痴こぼしね」と思って読み流してください。実はこの数週間、この人との奇怪な会話に振り回されっぱなしでした。
◎「丁寧なのか、何なのか」。
●今回初めて仕事をすることになった、年齢不詳の女性ディレクターさん。企画書美人というか、その内容は大変立派なのだけど、実は本人には完成型のイメージが全くない。「あとはよろしくお願いしますぅ」と全部丸投げするわりに、完成したものにはガンガン修正を入れてくる「たたき台が無いと何も出来ないタイプ」。こういうディレクター、最近やけに多い。
夕方、電話が鳴る。
「もしもしぃ、あっ、ハリーさんですかぁ♪佐久間ですぅお世話になっておりますぅ、今お時間よろしかったでしょうかぁ?」
最近はこの声を聞いただけでウンザリする状況。
「あのぉ、先ほど修正内容をFAXで送ってしまったんですけど、よろしかったでしょうかぁ?」
まず、これがよくわからない。必要なFAXなら送ってもらわないことには仕事にならないし、それより送ることに何か引っかかることでもあるのなら、送る前に確認したらどうだろう。しかもその内容ときたら、A4用紙1枚にレンズでも必要なほどこまかい文字でギッシリ。おまけに「そんなの聞いてないよ!」「いきなりそんなこと言うな!」「最初にそれを言え!」って文句のひとつも言いたくなるような内容のオンパレードで、あぁまたこれで2、3日潰れるのかぁ、とゲンナリしてしまう。
無駄にバカ丁寧な会話のおかげで、他の人の数倍も時間がかかる。それもやっと終わりかけ、最後に「これ、いつまでですか?」の問いに答えた彼女の言葉がこれです。
「今すぐやってください」
…もしもし?
こういうことこそ丁寧にお願いするところじゃないんだろうか?と思う僕は間違っているんだろうか?
動悸と眩暈と息切れで、受話器を落としそうになりながら僕は思う。
「日本語でお願いします」。
だけど近くにあるんだよ。
だいたいを家の中で過ごす在宅ワーカー。都内在住の39歳。パートナーのブランドン(外国人/ヨーロッパ圏)との生活は、気付けば13年目に突入。地味に静かに暮らしています。
Chibi-log
もうすぐ春ですね。
仕事そっちのけ、確定申告も全くの手付かず状態のまま、徹夜してまで見入ったバンクーバー五輪もそろそろ閉会。毎回思う、「冬季五輪が終わったら、そろそろ春なんだなぁ」。
いろいろ落ち着いたら、またブログ始めてみようかな。
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愛は人にも、地球にも。
まずは、出来ることから。
↓あの曲がなんでこんなアレンジに!?と毎週流れるテーマ曲目当てに見てたわけだけど、もしかしてあれ、実は面白かったんじゃないか?と今にして思うドラマ。DVDになってないのね。そうなると、ますますもう一度見たくなる。若かったなぁ、メロリンQ。
●幕末高校生(1993)
●Twilight In Upper West(T-SQUARE)
↓昨年末からかなりキてる。いいぞ、ワトソンとグローバンの間あたりのポジションを目指すのだ。
●Going Home(Will Martin)
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